【多頭飼い】兄弟犬が救う「免疫介在性溶血性貧血」

免疫介在性溶血性貧血(IMHA)という病気をご存じでしょうか。IMHAとは自身の抗体が赤血球を攻撃してしまうもの。

免疫介在性溶血性貧血(IMHA)

想定される原因としては
・物理的損傷による出血
・病気や細菌、感染症
・ストレス
・玉ねぎなどの中毒
等々、色々なことが想定されるのですがはっきりとして原因を特定できることができないため対症療法で治療することになるようです。

致死率はおおよそ50%と高く(30%~80%とされる)、なりやすい犬種としては雌のマルチーズ、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、プードル、コッカー・スパニエル、シーズー、アイリッシュ・セッターなど2~8歳に多く見られるとのこと。

そして今回我が家の、りお(ダックス、オス、7歳)がこの免疫介在性溶血性貧血と診断されました。

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異変に気付いたとき

5月5日

いつも通りお散歩に行く際、喜びながら走って玄関に行くのですがいざお散歩に行くとすぐに足を止めてしまい中々歩かなくなりました。

食欲も少し落ちていてすぐ歩かなくなる。それ以外に変わった様子はありません。

元々ふかふかベッドが好きで埋もれてだら~んと寝るのが好きなので、グッタリしているのか気持ちよく寝ているのかも正直わからない子です。しかし、そんなベッドで寝ている最中のリラックス状態でかすかに聞こえる「呼吸」が少し早すぎることに気づきました。

計測してみると1分あたり40近い。

通常小型犬は、正常値で1分間20回前後30回前後は何かしら異常のサイン40回前後は危険な状態とされています。

翌日朝一に病院へ連れて行きました。

検査と治療方針の相談

5月6日

血液検査の結果、赤血球が通常より遥かに少ない数値であることが判明。作られてもすぐ攻撃されて壊され重度の貧血に陥ってることが分かりました。貧血のため、歯茎も耳の中も白くなってきていました。

普通に立って尻尾をふるので一見元気そうに見えますが本来なら動くだけでもしんどいくらいの状態とのことでした。のんびり決断していいような状況ではないため、最初の検査と同時に今後の想定される治療方法(費用)、方針を一通り説明いただきました。

「これがダメだったらこの治療でいくら、それがダメだったらこの治療」といった感じ。

その都度、状況次第で改めて説明されて費用聞いて考えてってかたちで進めるよりすぐ判断できてすぐ治療に移れるのでとても助かります。

治療方法としては、「薬での治療」「点滴(ガンマガード)」「輸血」

このうち点滴は高価で40.000円

輸血は検査等抜きで約20.000円

輸血は血液検査などの検査費用が別途かかります。

まずはステロイドや鉄剤など複数個の薬による治療を始め、3日後に再検査となりました。投薬による治療は早くて3日後には結果が出るようです。

薬による治療の結果

5月9日

3日後の再検査、薬の効果ができているか検査結果がでました。

症状は止まることなく進行していて、赤血球が減り続けていました。

RBC(赤血球数)参考値5.65~8.87のところついに1.00を切り0.97まで減っていました。

予断を許さない状況の為、すぐに酸素室へ入院と次の治療へ進み翌朝より点滴を行うこととなりました。

それと並行してその日のうちに輸血を想定した他2匹の血液検査も実施しました。

点滴の結果

5月11日

点滴(ガンマガード)費用\40.000

5月10日に1日かけて点滴をし、翌日の検査で進行は止まり、赤血球の数(RBC)は微量ながら増えていました。

点滴をしても効果がなかったという例もあったので、これもまた一安心。ですが、点滴の効果は一時的な物で重度の貧血に変わりはないので輸血をすることとなりました。

3匹の血液検査の結果

5月11日

人間のABO型と違い、犬の血液型はEBA型で数種類に分かれています。
「DEA1.1+」「DEA1.1-」「DEA1.2-」「DEA1.3+」等々

兄弟のように育ってきた3匹ですが、実の兄弟ではありません。

検査の結果、3匹の血液型は一致しEBA1.1+でした。まず一安心です。

血液型検査は検査から結果まで2日かかり多頭飼いの場合、緊急時に備え全員の血液型を知っておくことも大事なことだと思いました。

クロスマッチと兄弟犬からの輸血

5月12日

血液型はマッチしましたが、輸血にはさらに突破しなければならない門があります。

それがクロスマッチです。

供血犬と患者の血液を掛け合わせ異常反応がないかチェックする検査です。

幸い2匹とのクロスマッチはどちらもPASS、どちらからでも輸血可能と判断され念のため2匹とも預けることとしました。

本来供血犬は大型犬が理想とされていますが、今回は小型犬というよりか中型犬にも見えなくないむぎから採血することなりました。1歳若く体格もいいのでダックスより多少多く採血できます。

預けた翌日から採血と輸血を始めゆっくり夕方にかけて輸血を実施。その後は細かく経過観察、お医者さんからは輸血は問題なく終わり赤血球の値も順調に増えてきているとの報告。

ちなみに供血犬として頑張ってくれたむぎは若干の貧血気味のはずなのにいつも通りケロッとしております。

5月13日

入院してから毎日面会に出向いていましたが、輸血翌日のこの日が一番元気でした。ご飯もよく食べ、私が面会にきたのが見えると立って尻尾を振ります。

副反応の心配もあるので病院で引き続き経過観察となりました。

無事退院し引き続き薬による治療

その後、1週間弱くらいで無事退院し元気な姿でお家に帰ることができました。

しかしまだ貧血状態に変わりはないので引き続き薬による治療を継続します。

数か月で薬を辞められた子もいれば長期間かかったのち薬止められた子もいるようです。

すぐに薬に頼らなくていいようになればいいな。

この病気についての最大の治療

免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の最大の治療方法それは

早期発見

これにつきると思います。

体力も食欲もあり、軽微な異常のときに発見して治療開始できるのとでは天と地ほどの差があると思います。

食欲も元気もなくなってきて、重度の貧血状態に陥ってからでは状況的にかなり難しいケースもあります。今回りおは治療を始めてから、何日かあまりご飯を食べずとても不安になる日がありました。

今回の治療にかかった費用

最初の検査~退院までの費用を参考までにざっくりで記載します。

検査と薬代 約\32.000円

検査と点滴 約\52.000円
(他2匹分の血液型検査含む)

入院費と輸血 約\180.000円
(1週間ちょっとの入院費とその間の薬、検査代含む)

合計 約\260.000円くらい。

最後に

自分的にはだいぶ気にかけていると思っていましたが、それはそうゆう気になっていただけ。まったくもって知識も観察力も足りない、健康管理があまい。自分を気が済むまで殴りたい。

簡単にでも身体に異常がないか確認するくせを身に着け、日頃から異変に気づける機会を増やすことがとても重要だと、定期的な健康管理が大事だと実感しました。
今回は本当にゆずとむぎの2匹に助けられました。

動物には人間のように献血センターなどはありませんが、ドナーを募集している病院はあります。
条件として、若くて10kg~15kg以上で病歴無し等々。
うちは大型犬を飼っていないので条件に当てはまらずドナーとして献血はできませんが、いつかそのような機会があれば協力してあげたいなと思っています。

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