
IT企業に興味をもつ人が一番に気になるであろうSEやCEと呼ばれる業種。
しかしSEやCEといっても具体的にどのようなジャンルがありどのような業務内容なのか。IT企業は専門的で難しいのではないかと思われがちですが、今回は某メーカーのCEである私がCE業務のリアルな話をご紹介します。
ほんとにリアルな内容を書きますがすべてのCEが同じではありません。その点はご注意ください。
SEとCE
そもそもSEとCEでは業務内容にどのような違いがあるのか。まずこちらから簡潔に説明していきます。
SE(システムエンジニア)
システムエンジニアの業務内容はシステム開発・構築やシステムリリース後の運用が主な業務となっています。
顧客のニーズを把握しシステム要件定義や設計、テストを行ったりとSEが担当する場面はたくさんあります。
資格について
エンジニアとして情報処理のITパスポート(ITP)は最低限取得しておきたい国家資格です。
ITパスポートはストラジ系・マネジメント系・テクノロジ系から出題されこれらはエンジニアとして必要な知識です。
- ストラジ系「企業と法務」「経営戦略」「システム戦略」
- マネジメント系「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」
- テクノロジ系「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」
【余談】
実はこのITパスポートにはちょっとした事件があり、2009年春に第1回の試験が行われ合格率70%以上ととても高い数値でした。
しかし第2回の春(私が初めて受験した時期)サイレントで難易度が調整され合格率が30%に落ちるということがありました。
第1回の参考書を使って100%の状態で臨んだのに、いざ試験当日に勉強した内容がまったくあてにならなかった思い出があります(笑)
現在のおおよその合格率は50%前後となっていますがそこまで難しい試験ではないです。
ITP以外には「システムアーキテクト」であったり、NW関連「ネットワークスペシャリスト」や「データベーススペシャリスト」「プロジェクトマネージャ」など、業務に必要な資格又は自分が目指したい・取得したい資格を取得するのが基本です。
CE(カスタマーエンジニア)
では今回紹介するCE(カスタマーエンジニア)はSEと何が違うのか。
簡単に言うとハードウェア保守(H/W)です。
SEがシステムを導入したPCやサーバー機器の点検や修理の保守対応を行います。
例えば、システムで何らかのエラーが発生したとします。
サーバーでHDDエラーが出ている→CEが保守対応(部品交換)
システムの動きがおかしい→CEによる保守対応(H/Wに異常がないか確認)
→システム障害であればSE作業
対応する機会、他社機器によっては特定の資格が必要となるケースがあります。
CE(カスタマーエンジニア)のリアルな話

それでは本題です。
業務内容はなんとなく把握できますが、携わっていない方からしたら実態は知れません。
某メーカーのCE(保守員)である私のリアルな業務経験を紹介します。
同じCE、SEだからと全ベンダーが同じような業務内容というわけではありません、今一度言いますがその点はご注意ください。
体制
拠点のCEは少人数(3名)、多い拠点は7~15前後
業務時間は24時間365日
基本的に平日日中帯勤務し、夜間は当番制(当番者の携帯へコール:呼び出し)
夜間当番の手当てはつきます。(お小遣い程度・・・)
話によればこの手当てがないベンダーさんも存在します。他社なので具体的にどこかは書けませんが。
担当している機器
私はすべての分野を保守対応しています。
- 電気関係(非IT系)
- Server OS:Windows、UNIX、Linux
- Network機器
- OA系「プリンタ」「スキャナ」等
- PC系
- ストレージ
どの分野もいろんな他メーカー機器を含み、主に機器の設置・撤去・修理・点検を行います。客先へ出向いてパソコンの部品交換をしたり、ネットワーク機器を交換したりといった感じですね。
拠点によっては分野ごとにグループ分けされているとこもありますが、私の拠点は少人数ですべて対応しています。
収入
比較データが無いことやベンダーに寄って差があるため、具体的な数字を出すことはできませんが私の体感ですとSEと比べてあまりよくない印象です。
多い人は残業代で稼いでいるような感じです。
話を聞くと似たような業種でもベンダーに寄って他社に比べはるかに少ないベンダーもあるようです。
メリット
業務スキル(PC修理、分解やネットワーク知識)が日常でも生かせる
外回り仕事なのである程度好きな場所で休憩・食事がとれる
デメリット(大変な点)
夜間作業や緊急の呼び出しが多いので不規則な生活になりがち
→日中働いた後に深夜呼び出しや、休日を過ごしている最中の呼び出しがある。
スキルを習得して幅広い分野の保守対応ができても給料は上がらない(やり損)
→PCしか対応できない人と複数の分野を対応できる人では給料に差が出ない。
(当然、勤務年数や職群での差はあります)
時間外当番の手当てが安く、低賃金で休日時間外のプライベート拘束
→低賃金なら手当てより休みを取りたい・・・
GWや年末年始等の連休も呼び出しや計画作業がある
→少人数だとその数人で連休もカバーするしかない。
基本給がさほど多くはない
→急な呼び出し多量の業務をこなしても基本給アップにはつながらず職群も上がるわけではない。
人より多くの分野をこなしても評価はされない!
モチベーションなんて上がるわけがない!(怒)
まとめ
全ての業務内容ではありませんが、CE(カスタマーエンジニア)としての業務内容や業務形態を紹介いたしました。
私の拠点はなかでも業務量が多くとても忙しいところですが、拠点によって業務量の差はあります。
IT系と聞けばよい響きに聞こえるかもしれませんがエンジニアというのはこのような職種です。何度も言いますがメーカーによって異なります。
しかし私たち保守員、他ベンダーも口をそろえて言う言葉が「どこも人がいない。」
業務内容に差はありますが人が足りていないのはどこも同じようです。
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